あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

確かあの日は…。
「眠…っ」
いつもより寝る時間が遅くて私は放課後に寝てしまったんだ。
それで起きた頃には少し薄暗くなっていた。
雨が降っていた。
傘なんて持ってきてなかった私は少しやむのを待っていた。
18時をすぎていたこともあって私のお腹は空腹だった。
ぐぅぅと私のお腹が鳴った。
「はぁ…お腹空いたな」
もういっそのこと走って帰ってしまおうか。
そんなことを考えていると…。
「よかったらこれ食べて」
そう言って目の前に差し出されたのは…。
「マフィンだよ」
綺麗な形をしてとてもいい匂いがしたマフィンが目の前に置かれた。
私はバッと彼を見た。
「部活で作って上手くできたからよかったら食べて！」
そう笑顔で…優星は言ってくれた。
その笑顔に私は恋をしたの。
優星の優しさと笑顔に──。
「いただきます」
私はお腹が空いていたので遠慮なく食べることにした。
一口食べるごとに口に広がる程よい甘さ。