あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

「来たはいいけど…」
先輩って何組だったっけ?
僕は2年生の廊下で立ち尽くしていた。
昼休みということもありたくさんの人がいた。
さすがに2年生に声をかける勇気はないな。
幸希先輩は先輩だけどなんか……。
『優星!』
あんまり先輩って感じはしないんだよな。
声もかけやすいし…。
学校での幸希先輩もきっと…クラスメイトから慕われてるんだろうな……。
僕は1クラスずつ確認していくことにした。
各学年A、B、Cの3クラスだ。
だから確認するのはそんなに難しくない。
僕はまず手始めに1番近くの教室Cクラスの中を覗いて見た。
幸希先輩の姿は見えない。
続いてBクラスを覗いて見た。
「…いない」
じゃあAクラスか。
僕は最後にAクラスを覗いて見た。
「なに…これ…っ」
思わず溢れた。
僕が探していた幸希先輩はいなかったけど代わりに僕の目の前にうつったのは…。
「……っ!」
教室の真ん中の机に置かれた一輪の花が入っていた花瓶…。
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