悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
マリアはロベールを前にして、多少混乱していた。
ロベールはマリアに会いに来るのだが、お茶を飲みながらの話題は、いかに王太子が素晴らしい人物であるか、男前であるか、に終始するのだ。

初めは自分の事を語りたがらない謙虚な方なのだろうと思ったが、今では王太子様の事を心から尊敬なさっているのだろう、としか思えない。
王太子の事を知ることができるのは嬉しいが複雑な気分である。

素晴らしい方だと知れば、マリアに優しくしてくれたのを思い出して心臓の鼓動が早まるが、知ったからと言ってこの先どうなるものでもない、と思うと気持ちが落ち込んでしまうのだ。
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