悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる

心惹かれるのは

ロベールは休日の度にグロリス伯爵家を訪れた。
今日も日当たりの良いサロンでお茶をいただく。王都で人気のお菓子を持ってくるのも忘れない。マリアはハチミツの香るフィナンシェがお気に入りのようだ。初めてこのフィナンシェを持参した時に
「これはバイロン侯爵家のお茶会でいただいた事がありますわ。ステファニーも大好きですのよ。」
と、嬉しそうに語っていた。

そんなマリアを見て、ロベールはホッとする。マリアに嫌われてはいけない。
だが、好かれてもいけない。

『あの人たちの要求が複雑すぎる』

ロベールは心の中で愚痴っていた。
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