悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
こどもたちのリクエストの絵も描いたあと、男の子たちは王太子やロベールと剣の稽古を、女の子たちはマリアと刺繍などをして時間を過ごす。

女の子たちは手を動かしながらおしゃべりに花を咲かせる。今の話題は今日来た騎士達(ロベール、騎士になりすましたテオドロス、テオドロスの護衛騎士数名)の誰が一番かっこいいか、である。
「領主様(ケント公爵)のご子息も素敵だけど時々来てくれるテオ様もお優しいのよ。」
こどもたちの間では王太子よりロベールの方が身分が上だと思われているらしい。
「マリアちゃんは誰が一番?」
既に友達のように扱われるマリアであるが、さすがにこの質問には答えにくい。
「そうね。ロベール様もテオ様も素敵ね。おふたり共、立派な男性よ。」
無難な答えしか言えなかった。

女の子たちはマリアの答えに納得したのかしないのか、自分たちで彼らをランク付けし始めた。

それを聞くとも聞かずとも、マリアは手を動かす。思考はすぐに先程の王太子とのやりとりに戻ってしまい、頭を振った。

考えてもしょうがない。私の婚約者候補はロベール様で、王太子様ではないもの。

マリアはそう結論づけながらも王太子の事が頭から離れなかった。
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