悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる

グロリス領にて

あの後、マリアは何度かロベールにこども保養園に誘われて一緒に訪れた。
そして何故かその度に王太子と遭遇し、こどもたちと共に親交を深める事になった。

ロベールは一緒の馬車で来るには来るのだが、園長と収支の相談をするとか、雑用を頼まれたとかで別行動をしている。マリアの侍女もその手伝いを頼まれて別室で過ごす事が多い。
それ故に、マリアはほぼ王太子テオドロスと一緒にいることになる。

テオドロスは彼が王太子であることを忘れてしまうくらい気さくでこどもたちにも優しく、マリアにも笑いかけてくれた。一緒に過ごす時間はとても楽しく、あっという間に過ぎていく。
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