シロツメクサの約束~恋の予感噛みしめて~
「一緒に、それなら早く答えがでるかも」

 悩み事はひとりじゃなく、他の人に相談した方が解決の糸口が見つかりやすい。だから朝陽くんとのこともひとりで考えこむよりいいかもしれない。

「じゃあ、こうされるのはいや?」

 朝陽くんが急に私の手をにぎった。突然大きな手につつまれ彼の体温を感じてドキッとする。

「い、いやじゃないよ。もちろん」

 ドキドキはするけど、いやじゃない。しかし昔彼と手をつないだときとは全然違う。大きな手のひらに大人の男だと意識する。

「よかった。じゃあ、これも平気だよな」

 今度は指をからませてきた。手をつなぐっていう行為はさっきと一緒なのに、新密度が増した気がするのは気のせいだろうか。

「うん。そうだね」

 繋がれた手が気になって、返事があいまいになる。恥ずかしくてドキドキして、でもいやじゃないむしろうれしい。

 顔に熱が集まっているのを彼に気づかれないといいのだけれど。

 しかし彼の行動はますますエスカレートしていく。

「じゃあ、これは?」

 私の頬に手を当ててじっと、みつめてきた。熱のこもった眼差しを受け止めた私がそのまま固まっていると、彼の綺麗な顔が近づいてきた。

 驚く間もないまま、私の唇に彼の唇が重なった。

「これはどう?」

 いたずらめいた彼の目が私を覗き込んでくる。

「え、いや、あの……」

 顔を赤くして、口をぱくぱくさせどうすればいいのかわからない。

「あ、麻酔でよくわからなかったか。それならもう一回」

 そもそも今日は麻酔なんてしてない!

「平気?」

 甘い声で尋ねるなんてずるい。

 思わず抗議の意味を含めて、かわいくない言い方をしてしまう。
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