【中】今さら、付き合いたいなんて。


「きゃはっ、似合ってんじゃん。調子乗んなよ、優等生」


「……」




八雲くんが目を丸くしているのも相まって、随分と可愛らしい姿に変貌しました。

不良行為も楽しいですね。


私が芹香のもとへ行くと、八雲くんは乱れた髪を片手で直しながら、クラスメイトの皆さんに「凄いな」と言われていました。

八雲くんがクラスメイトの皆さんから尊敬を集めているなんて、誇らしいです。




「あいつに絡みたかっただけだろ、お前」


「何がー? 芹香の仕返ししてやっただけだし」


「ムカつくぞ」


「いてっ」




私は私で、半目の芹香にデコピンを食らってしまいました。

恋と友情の両立は難しいですね。




****




掃除が終わった後、先生に呼び出しを受けてしまった芹香を待って、私は下校ラッシュが収まった階段の前にいました。

そこに、小さな足音を響かせて歩いてきたのは、部坂(へさか)さん。

遅くまで教室に残っていたようです。
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