【中】今さら、付き合いたいなんて。


「お前が好きだから」


「――っ! う、そ……」


「嘘でこんなことするか」




笑い混じりの声に胸がドキドキします。


本当の本当の本当に、八雲くんも、私のことを……?

だってそんな、嬉しいこと。




「本当に……?」


「信じられるまで、キス、しましょうか」


「へっ? ちょ、ちょっと待っ!」




ちゅ、と唇が重なります。

何か言う暇もないくらい、ちゅ、ちゅ、ちゅ……と八雲くんはキスをしてきました。

今度は胸を押しても、全然引いてくれませんし、止まってくれません。




「~~っ、信じます! 信じますから!」


「言わされてる感ありますけど? まだ足りないんじゃないですか?」
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