【中】今さら、付き合いたいなんて。
「俺の性格なんて知ってるでしょう? 叶希にしか興味が無いんですよ」
「ほっ、他にもあるでしょう!? ほら! 喧嘩とか!」
「全部叶希に塗り替えられました。責任取ってくれます?」
「せ、責任ですか!? えぇっと、えぇっと……っ!」
「取ってくれるんですね。それじゃあ、これから毎日、キスを1回しましょう」
「ま、毎日ですか!?」
そんなの、私の心臓が保つ気がしません!
不味いです、八雲くんを止めなければ!
このまま流されたら、大変なことになりそうです!
「流されておけばいいのに」
「心を読まないでくださいっ。八雲くん!」
「はい」
少しも離れる気がなさそうな八雲くんの頬に両手を添えて、背伸びをしつつ、ちゅ、とキスをします。
一生冷めそうにないくらい熱くなった顔で、私は八雲くんの瞳を見つめました。