【中】今さら、付き合いたいなんて。
薄く目を開けた4秒目に、私達の唇は重なりました。

そして、超至近距離で、八雲くんと見つめ合います。

普通のキスよりも恥ずかしさが増して、私はすぐに目を瞑ってしまいました。


……今度のキスは、区切りのキスだからか、長い間続いています。




「もう、叶希は俺の女だから。俺以外、見るなよ」


「っ……八雲くんこそ、他の女の子にデレデレしないでくださいね」




恋人になるキスが終わると、八雲くんが元の口調に戻って甘く囁きました。

私も負けじと条件を言い渡すと、八雲くんは「当たり前」と笑って短いキスをします。




キーンコーンカーンコーン


「ぁ……」


「時間だな。……教室に戻りましょうか、叶希さん?」
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