庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
「警護の危険度によって変わるんだけど、これが一般的な価格」

「そうなんですね。……私の想像より上の金額でした」

 最初の四時間までが二万五千円で、それ以降は一時間当たり五千円となっている。
 勤務する八時間すべてを警護してもらうなら、一日で四万五千円の費用がかかる計算だ。
 
「がんばったら払えない額ではないんですけど……すみません」

「謝らなくていいよ。無理はしてほしくない」

 ドラゴンアイが現れて過激なことをしてくる可能性がゼロではないので、警護を依頼すれば私の不安は払しょく出来る。
 そのためにお金がかかるのは仕方がない。
 だけど、四万五千円は私にとって容易く払える金額ではないのだ。

「人目に付かない裏方の仕事に回れるように調整してもらうのはどう?」

「上司に相談してみます。……正直、難しそうですけど」

 広報部の部長は、SNSのフォロワー数が多い私を前面に出そうと計画している。
 それをわかっていながら、今さら目立ちたくないとは言えない状況なのだ。

「よく考えたら、会場内には警備員の方たちが配備されてるから大丈夫ですよ。すみません、私が怖がりすぎていました」

「野外で誰でも出入り出来るイベントなんだろ? 心配だ」

「ありがとうございます。気を付けますね。相手を刺激しないように、イベントが終わるまでSNSは更新しないでおきます」

 斜めに崩していた足を真っすぐに戻し、正座の体勢でペコリと頭を下げる。
 顔を上げた瞬間、ひどく渋い顔をした剣崎さんと目が合った。

「通勤ルートも危険だ。おかしなやつを発見したら、すぐに逃げて助けを求めること。それと、俺に連絡して?」

「わかりました」

「絶対に君を守るから」

 剣崎さんが手を伸ばし、私の頭をポンポンと撫でた。
 本当にやさしい人だ。隣の住人だというだけで、こんなにも親身になってくれている。
 イケメンで、さらに強さも備わっている素敵な男性だと意識すると、自動的に胸が高鳴ってボーッと見惚れてしまった。

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