庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
 イベント開催日の日曜日がやってきた。
 あれから、通勤の途中で不審な人物を見かけたり、怖い思いをすることは一切なかった。
 怯えすぎかもしれないけれど、プライベートで友人から食事に誘われても出かけずに、家でずっと大人しくしている。
 ただ、ドラゴンアイからのメッセージの送付は続いていて、スマホの通知は切ることにしたけれど、不気味さと恐怖で気持ちは沈んでいた。

『最近、投稿しないんだね。かわいい花怜ちゃんの顔が見たいな。自撮りをアップしてよ』

『一度も返事をくれないね。いいよ、俺とデートするなら今までのことは許す』

 最後の“許す”という上から目線の言葉に、私への怒りが込められている気がした。
 だけど、こんなに気持ち悪いと思う相手とデート出来るわけがない。私は徹底的に無視をすると決めたのだ。
 
 いつものように身支度をして玄関扉の施錠をしていると、隣の部屋から黒の長袖Tシャツを着た剣崎さんが外に出てきた。

「おはよう。大丈夫?」

「おはようございます! 今日は休日出勤扱いだから、明日はお休みをもらえました。大丈夫です、気合で乗り切ります!」

 心配をかけないように、わざとにこにことした笑みを作って明るい口調であいさつをした。
 なのに彼はガッチリと筋肉の付いた胸の前で腕を組み、難しい顔をしている。

「帰ってきたら新商品のビールを差し入れしますね。あ、クラフトビールのほうがいいですか?」

「くれぐれも気を付けて」

 私の問いかけに対し、答えは返ってこなかった。会話がかみ合っていない。
 剣崎さんは私が隠そうとした気持ちをすべて見透かすように、心配そうな瞳で視線を送ってくる。

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