庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
 剣崎さんとは以前から朝の出勤時やゴミ出しのときに顔を合わせると会話を交わしていたが、こんなにも頼もしい一面を持つ人なのだと改めて知った。
 整えられた凛々しい眉と目力のある涼し気な瞳が印象的で、無造作にセットされたヘアスタイルもオシャレでカッコいい。
 高身長なのに顔は小さく、たまに見せてくれる笑顔がとても素敵なイケメンだ。年齢はおそらく二十代後半だと思う。

「もしかしてこれから夜勤でしたか?」

 今になって気が付いたけれど、彼は黒のスリーピーススーツを身に纏っている。
 私が騒いだせいで、出勤の邪魔をしてしまったのではないだろうか。

「いや、逆に今帰ってきたばかりだった」

「よかったぁ。遅刻しちゃったらどうしようかと思いました。ビルでのお仕事は交代制でしょう? ほかのスタッフに迷惑がかかったらまずいですもんね」

 ホッと胸をなでおろす私を見て、彼は首をかしげながらポカンとしていた。
 まるで、会話がかみ合っていないとでも言いたげだ。

「ビルってなに?」

「警備のお仕事をされているって聞いてたので、どこかのビルで働いてらっしゃるのかと……」

「……ああ、なるほど」

 剣崎さんは急に合点がいったようで、ゆっくりとうなずいてクスクスと笑った。
 その笑顔が綺麗すぎて、思わず見惚れそうになる。

「違うんですか?」

「一般的なガードマンとはちょっと違うかな」

 以前、なにかの拍子に互いの仕事について話したとき、彼は警備会社に勤めていると教えてくれた。
 だから日勤のときもあれば夜勤もあって、大変そうだなと思っていたのだ。

< 5 / 23 >

この作品をシェア

pagetop