庇護欲強めの彼に守られ、愛されました
 “執拗”という言葉がピッタリなほどに、私はひとりの人物からストーカー行為を受けている。
 相手のことでわかっているのはハンドルネームだけで、名前は“ドラゴンアイ”だ。

「警察には行った?」

「まだです。でも、誹謗中傷はされていないので、これくらいで相談に行っていいものかと迷ってるんです」

 意図的にそうしているのかは不明だが、ドラゴンアイは傷つけるような言葉で攻撃してきたことは一度もない。
 とにかく私が好きだから直接会いたい、返事がほしいと言うだけで、日によっては何十通も同じ内容のメッセージを送り付けてくる。
 そして、反省するかのように最後は「ごめんね」と謝ってくるのだ。

「悪意のあるデマを拡散されたり、アカウントを乗っ取られたりは?」

「それもないです」

「ブロックはした?」

 剣崎さんの質問に、フルフルと力なく首を横に振った。
 情けなさが込み上げてきて、溜め息を吐きながらガクリと肩を落とす。

「早くブロックすればよかったですよね。完全にタイミングを逃しました。あまり刺激しないほうがいいって聞くから、無視していれば収まるかと思ってたんです」

「だけど、隠し撮り写真を送ってきたメッセージに『友達とランチを食べてたね。そのあとの買い物は楽しかった? 今度は僕と行こうね』と書いてある。この日はずっと付け回してた可能性が高い」

 私も剣崎さんと同じ見解だった。
 やはり誰が見てもそうなのだと思い知らされ、どうしようもないくらい恐怖心が煽られていく。

「いきなり攻撃的になることもあるらしい。自宅ももうバレてるかもしれない」

「こ、怖いです!!」

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