ムーンサルトに 恋をして

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「Do you have a girlfriend?」
「フフッ、No~」
「えぇ~っ、嘘だぁ~っ!こんなにもイケメンなのに~?」

お酒に酔った勢いで聞いてみた。
ジルは私の通訳機を使って私の言葉を確認して、何度も顔を横に振る。

『体操に専念してて、恋愛がする暇がないの?』
『それもあるけど、好きになれる子が周りにいなかった』
『どんな子がタイプなの?』
『運動に付き合ってくれる子』
『体育会系の女子が好みなのね』
『でも、ムキムキの子は好きじゃない』
『何それ~っ』

AI通訳機で会話する。
たまにおかしな訳で爆笑しつつも、それも込みで楽しくて。

昨夜同様、彼のお兄さんが務めるお店で夕食を済ませ、その後に彼とタイムズスクエアを散策した。

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翌日は昼過ぎに待ち合わせして、昨日行く予定だったセントラルパーク内の動物園を訪れた。
アニメ化された有名な場所とあって、日本人の観光客も多い。

その後は、自由の女神、美術館、大聖堂……。
地元というだけあって、公共交通機関を利用するのも不安なく利用できるのは最高の至福。

連日彼を付き合わせてデートのような時間を過ごしていた。

観光名所と言われる場所はほぼ制覇し、ジルは『あとはどこがあったかな?』とスマホで検索してくれている。
数日前に出会ったばかりの日本人相手に、親切すぎる彼に申し訳なさも感じて……。

『日本に来たら、連絡してね?どこへでも連れて行くから』
何度も彼に伝えた。
彼が私にしてくれたように……。

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