宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
 不意に言われた『可愛い』。

 動揺が隠せなくて、持っていたスプーンを落とした。

 しかもそれはテーブルの下の、宮野くんの足元へ。

 テーブルの下にもぐりこんで取ろうとしたら、宮野くんも取ろうとしてくれて、宮野くんの顔が目の前に。しかもスプーンをお互いに取ろうとしたからふたりの手も重なって……。

「わっ! ごめん」
「こっちこそ、ごめんね! 取ってくれて、ありがと」

 ドキン、ドキン、ドキン――。
 大きく、速く心臓が波打つ。

 あわててテーブルの下から出ようとしたら、頭ぶつけちゃった。

「痛っ!」
「大丈夫?」

 宮野くんがわたしの頭を触った。
 どうしよう、ドキドキしすぎてヤバいっ!

 急いで離れた。このドキドキを静かにさせるために。

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