宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと

3*お姫様のような

 ここに来て、1週間がたった。
 
 あれから私の家と宮野くんの家、交互に一緒に過ごしている。

 そして今日は元の世界に帰れる方法を探すために、この世界を探検する予定。

「小松、おはよう」
「おはよう」

 宮野くんが私の部屋に来た。
 私は彼の服装を見てキュンとした。

「宮野くん、その格好、どうしたの?」
「あぁ、これ? 『王子様』って書いてあった」
「いや、そうでなくて……。何で着てるのかな?って」
「かっこいいから」

 宮野くんは白い王子様の衣装を着ていた。普段着もかっこいいけど、この姿も、好き。

 本物の王子様みたい!

「小松もそれ、着たら?」

 宮野くんが指さしたのは、部屋の隅に広げて置いてある『お姫様』のドレス。
「えっ? なんか、恥ずかしい」
「どうして? 着たいから出したんじゃないの?」
「そうだけど」
「着てる姿、見たかったな……」

 最後ぼそっと呟いた言葉がすごく気になった。私はドレスに視線をやる。

「着て、みよっかな?」
「じゃあ、俺、リビングにいるわ」
「うん」
 
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