宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと

4*近くで眠る

 しばらく歩いてはみたものの、ずっと何もない道。
 あっという間に暗くなってきた。

「どうしよう……。暗いし、戻るには遠いよね」
「うーん。今日はこれを……」
 宮野くんが出したのはふたり用のテントをひとつ。

 テントの中に宮野くんはそそくさと入っていく。
 私も自分のタブレットを出して、テントを出そうとしていると「おいで!」って。

「この中に?」

 思わず聞き返してしまった。

 こんな狭い空間にふたりきり?
 どうしよう。

「俺と一緒に寝るの、嫌だ?」

 嫌なわけない。ないけど……。
 考えて、じっとしていたら宮野くんがもうひとつのテントを出した。

「嫌だよね? 小松さんはそっちで寝な?」
「……」

 あれ? ちょっと怒ってるのかな?
 目を合わせてくれない。

「じゃ、また明日」って、その言い方もそっけない感じで。

「うん、おやすみなさい」

 冷たくされた気がして、しょんぼりしながら準備してくれたテントに入った。

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