宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
 お祭り会場を眺めていたら、ボブヘアーの小さくてイケメンな男の子が近くに来た。手にはわたあめを持っている。

「人間だ! 僕のわたあめあげる!」
「くれるの? ありがとう」

 にっこりして手を振り、その子はすぐにお父さんらしき人?の場所に戻っていく。

「小松、会話できるんだね。あの子、なんて言ってた?」
「わたあめあげる!って言ってたよ!」
「小松にだけ言葉が分かるのか……そういえば鳥とも話してたよな」

 もしかしてこれって、宮野くんに出来なくて、私にできること、かな?

 宮野くんに頼ってばかりいたけれど、私も何か役に立てるかもしれない!

「私、この世界のこと聞いてみる!」

 自分から話しかけるの苦手すぎるけれど。

「じゃあ、頼むな! ここはどこなのか、どうやったら元の場所に帰れるか……質問したいことはこんなところかな?」
「うん、分かった」

 とりあえず、もらったわたあめを半分こにして一緒に食べた。それから賑わっている会場全体を見渡した。

 誰に聞こうかな?

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