宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
「すみません! ちょっと聞きたいのですが……」

 勇気を出して話しかけたのは、ショートヘアの優しそうなイケメンお兄さん。

「あ、人間だ。久しぶりに見たかも。どうしたの?」

「人間、久しぶりに見たってことは、他にも人がいたりするんですか?」

「今はもう、元の世界に帰ったんじゃないかな?」

「元の世界……あの、ここはどこですか?」

「ここはね、君たちの夢の世界なの」
「夢の世界?」
「うん。架空の、想像の世界って感じかな」
「でも、痛さも熱さも感じるし……」
「夢の世界にもいくつかあるんだけど……」

 お兄さんの説明によると、夢にはいくつか種類があるらしい。自分で「これは夢だな」って分かる夢や痛さも何も感じない夢……。

 今いるのは現実のようで、痛さも熱さも感じる夢の世界……。

 
 夢の世界にいる……全く実感がない。

 だって、動きたいように動けるし、景色は変わったけれど、いつもと同じような感覚だし。

「どうしたら、元の世界に帰れるか、分かりますか?」
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