宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
「もう起きてたのか、早いね。おはよう」
「あ、おはよう」

 そのタイミングで宮野くんが起きてきた。

 葵ちゃんから連絡が来てたこと、宮野くんに言ったらどうなるんだろう。

 私を置いて、葵ちゃんと連絡取って。 
どこかにいっちゃったりしたら嫌だな。

「小松のタブレット、白く光ってるよ!」
「あ、本当だ」

 メッセージ読んで消えたはずのライトが再び点滅している。またメッセージが。

『もしかしてあの時、私と陽希ふたりきりでいたこと、気になってる?』

 陽希……。

 宮野くんの名前だ。お互いに下の名前で呼びあって、親しそうで。葵ちゃんのこと、好きだけど。
 だけど今、私は葵ちゃんに嫉妬して、葵ちゃんのこと嫌だなって思っちゃってる。

『うん』

 たった2文字だけの返事をした。

『多分、結芽は誤解してる。陽希に直接聞いてみて?』

 聞いてみてって、聞けないよ――。

「小松、どうした?」
「あのね、宮野くん……ううん、なんでもない」
「なんか言いたいことあったら、言ってな?」
「う、うん」

 その日は外に出たい気分でなくて。

「ひとりで出かけてきていいよ」って言ったのに、宮野くんは私をひとりにするのは嫌だからって。

 一日中一緒に家で過ごしていた。

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