宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと

7*新井くんの告白

 次の日の朝、宮野くんに質問してみた。

「ねぇ、宮野くんは元の世界に帰りたい?」
「そうだなー。この世界も楽しいけど、家族に会いたいし、友達にも。帰りたいな」
「そうだよね? 帰りたいよね……」
「小松は?」
「私は……」

 その時、家のチャイムが鳴った。

「えっ? 何?」
「小松、そこにいて? 見てくる」

 宮野くんは玄関へ。

 私はじっとソファーに座って待っていた。
 けれど心配になり、後ろからそっと覗いてみる。
 
 なんと、そこにいたのは、葵ちゃんと新井くんだった。

 私の存在に気がつく葵ちゃん。

「結芽、話しを聞いてほしいの!」
「聞くも何も、あそこでふたりでいたのが答えじゃない?」
「違う! 絶対勘違いしてる」
「じゃあ、なんでいたの?」

「小松さんに言いたいことがあるんだ。ちょっと、こっちに来て?」

 葵ちゃんと話をしている途中、新井くんがそう言った。
 
 新井くん、ちょっと眉間にシワを寄せて、ちょっと難しい顔をしている。

 ――どうしたんだろう。

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