宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと

10*ウソがバレて

 「お祭りの時『どうしたら元の世界に帰れるか』って小松が聞いてた時、方法聞いたのか?」

「……」

「小松、『戻る方法分からない』って俺に言ってたけど『難しい、ムリ!』ってあのお兄さんに答えてたよな? なんか不自然だったんだよなあの時……」

 よりによって、宮野くんがそこを覚えていたなんて……。

 その時の私が言った言葉、そこまで細かく覚えていたんだ。ウソついたのバレバレ。
 わたしは何も答えられなくて、うつむいた。

「ウソついたってことか?」

 宮野くんは冷たい口調。

 そうだよね、ウソついちゃったんだから。一緒に頑張ってたのに、急に裏切ってしまった感じ。

 ごめんねって気持ちが私の心の中で溢れてきていっぱいになる。

「……ごめん。本当にごめんなさい」

 謝ったけれど、宮野くんは何も返事をしてくれない。心がずしんと重くなる。
 どんよりした気まずい空気が流れてる。

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