宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
「うわっ! ハードモードってこういうこと?」
「そうそう」

 葵ちゃんが突然叫び、新井くんはうなずく。

「これって、これからは自分でアイテム作ったり、食べるもの育てたりどこかで交換とかするってこと?」

「そうだよ! でも大丈夫。今まで出したアイテムは残ってるから」

「これ、設定する前に言ってよ! 色々アイテム出しておきたかったよ。前住んでた場所に服とか色々そのまま置いてきちゃった! ちょっとあそこ遠いしなぁ……」

 私もタブレットを覗いてみた。

 私の場合は、今住んでる場所に色々置いてあるし、普段着る服とかも大丈夫かな?

「葵ちゃん、私の服、着る?」
「いいの? どのくらいある?」

 色々なものをとりあえず置いてある部屋に案内した。

「わっ! いっぱいあるね!」
「着てみたい可愛い服が沢山あって、どんどんタブレットから出していって、全身鏡の前で合わせてたらこんなことに……」

 ぱっと改めて確認してみると、軽く20着以上はある。

「着ていいの? 助かるよ! でも普段、私が着ないような可愛いのばっかりだね、似合うかな?」

 わたしは葵ちゃんに可愛い花のついたピンク色のワンピースを合わせて、全身鏡の前まで誘導した。

「似合うよ! 可愛い! これ、今着てみて?」

 私は小柄だけど、葵ちゃんはすらっと手足も長くて、身長も高い。美人だし。私よりも服を着こなしていた。

「スカートとか、慣れないなぁ」
「わたしの服、嫌だ? 新井くん、この葵ちゃんの姿、好きそう」
「そうかな? 結芽の服、一緒に着させてもらおうかな?」
「うん、いいよ」

 新井くんの話を出したら、葵ちゃんは可愛い系の服を着るのも乗り気になった。


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