宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
 葵ちゃんと一緒にリビングへ。

「この格好、似合わないかな? 変?」
 葵ちゃんが新井くんに聞く。

「可愛いんじゃない?」

 ほんのり顔が赤くなる葵ちゃん。
 それを見て嬉しくなる。

 新井くん、私じゃなくて、葵ちゃんのこと好きになればいいのに。

 でも心って、そんなに簡単に変われるものじゃないよね。

 宮野くんはキッチンで食器を片付けていた。

「私も、一緒に片付けるよ」
「ひとりで片付けれるから、しなくて大丈夫だよ」

 目を合わさずに宮野くんは言った。

 いつも一緒に片付けていたのに……。
 目を合わせて話してくれていたのに。

「うん、分かった」

 しょんぼりしながらリビングに戻る。

 宮野くんと私の間に、見えない壁が出来てしまった気がする。でもそれは、私が隠しごとをしたせいで。

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