宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
 私は宮野くんの前に出た。
 黒い影と向かい合わせになる。

「私たち、あなたと喧嘩するつもりはないの! 仲良くしてくれない?」

 声が震える。怖い。でもそうしないと……宮野くんが……。

 宮野くんを守りたい!

 でもダメだった。

 私が話しかけても、この黒い影には言葉が通じないみたいだった。私を攻撃しようとしてきた。

 どうしよう、やられる!

 目を閉じて、手で精一杯ガードをした。

 音だけが聞こえてきて――。

 幻かな?

「小松が好きだ!」って、宮野くんの声が聞こえた気がした。

 そのまま頭の中は真っ白になった。

 私はもうダメ……。

 でも最期に、幻でも、宮野くんが私に好きって、そう言ってくれた気がして、よかった。
 宮野くんと一緒に過ごせて、幸せだったよ。

 ――ありがとう、宮野くん……。

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