覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
月曜の朝、衣茉は思い詰めた顔でバスに乗っていた。
「おはよう、どうした?」
と訊いてくる八尋を見上げて言う。
「私……実は、課長に言わなければならないことが」
ここではちょっと、あとで言います、と言うと、八尋は、
そんな改まってっ。
一体、なんの話なんだっ、
と固まり、近くの乗客たちは、
そこで切られたら、続きが気になるっ、
と身を乗り出していたが。
衣茉は気もそぞろで気づいてもいなかった。