覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
 待ってくださいっ、課長っ、と思ったとき、後ろから声がした。

「今日も楽しそうに八尋と来たね」

「玖村さん」

「いや、いいんだ。
 僕のことは気にしないで。

 でも……僕が君の既読1になりたかったよ」

 そう寂しげに言って、玖村も行ってしまった。

 ロビーに入ると、受付の人と話していた明子が笑顔で振り向き言う。

「おはよう、衣茉ちゃん。
 どうしたの?」

「いえ、玖村さんが不思議なことを」

「あら、そうなの」
と言って、こっちに来たあとで、

「そんなことより、新刊はいつ出るの?」
と笑顔で訊いてくる。

「えっ?」

 それ、私が訊きたいんですけど……。
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