覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
 明子に激しく攻めたてられ、八尋は珍しく押されて後退しながら言う。

「いや、単に俺の好みでないだけだ」

 明子は、ホッとしてつかみかかろうとした手を下げ、
「そうですか。
 ならいいです」
と言った。

「冷静に考えたら、課長の好みは変わっていますから。
 選ばれなくてよかったです」

 何故、課長の好みは変わっているとわかるのだろうな、と衣茉が思ったとき、明子が語り出した。

「いや、すみません。
 ずっと疑問だったので。
 何故、私はモテないのかと」

「大丈夫だよ。
 モテてるよ、明子ちゃん」
と吉行が言ったが、鎮まりかけた怒りが噴き上がっただけだった。
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