覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
 


「ごめんね、レアなお菓子とか言って」

「……あれは私のことだったのですか」

 正気に戻った明子に謝られ、衣茉はようやくその事実に気づく。

 そのあと、コーヒーでも買って、みんなでロビーで話そうかという話をしていたとき、衣茉のスマホに着信が入った。

「あ、昨日の番号」

「出てみろ」
と八尋は()かしかけて、

「いや、待てっ」
と言う。

 実は、八尋は、さっきの占いの『懐かしい人に出会う』というところが気になっていたのだ。

 もしかしたら、なんだかわからない、何処かで出会った、なにかのイケメンかもしれないっ、と漠然としすぎな不安を八尋は抱いていたのだが。

 衣茉にはそれが伝わらず、いきなり、待てっ、と言われた衣茉は、
「えっ?」
と固まる。

 だが、その瞬間、指が画面に触れて、電話をとってしまっていた。
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