覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)
「もしもし? 綾原先生?
 今、お昼休みですか?

 沢木(さわき)です」

「えっ? 沢木さんっ?」

 衣茉が慌ててスマホを耳に当てると、八尋が何故か衝撃を受けた顔をする。

 そちらを気にしながらも、
「お、お久しぶりです。
 どうされたんですか?」
と沢木に言うと、八尋は更に衝撃を受けた顔をした。

 八尋は、衣茉の『お久しぶりです』という言葉を聞いて。

 やはり、懐かしい何処かのイケメンからかっ、と思っていたのだが。

 もちろん、そんなことは、衣茉には伝わらない。

「はい……はい……」
と沢木の話に返事をしながら、衣茉がみんなから離れていくと、八尋の顔がどんどん青ざめていく。

 いや、衣茉は、単に電話をしていると、みんなの話の邪魔になるかと思って離れただけだったのだが――。
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