吸血鬼令嬢は血が飲めない

血を吸われるのは、とても痛くて恐ろしかった。そのことがトラウマとなり、未だに血に対する恐怖心を植えつけたのです。

「……わ、わたくしなんて、このままカラカラに干からびて、朽ち果ててしまうのがいいのよ…。

…わ、わたくしが、いないほうが…あなただって、自由に……。」

何一つ思い通りにならないことが歯痒い。スアヴィスの広い胸を弱々しく叩きながら、わたくしはポロポロと涙を零しました。

「…あ、あなたが、分からないわ…。
…わたくしのことを憐れんでくれるなら、こんな恐ろしい世界から、助け出して…。
…ラクリマのいない世界で、…我が父に怯えて、それでも生きるなんて…わたくしには耐えられない…。」

『ずっと一緒にいて。』
あの言葉は、呪縛を望んで言ったわけじゃないのに。
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