愛という名の逆襲 ～Les Liaisons dangereuses～

「美嶺ちゃん」

優を見るのが怖くて、顔を伏せていると、おっかない発言とは裏腹の、優しいハグで包み込まれた。

「怖がらせたならごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。でも、もう美嶺ちゃんを諦める気になれないよ。だって、美嶺ちゃんは他の誰かじゃ幸せになれないってわかるから」

「何よ、その自信…」

「美嶺ちゃんは、本当に見る目がないからね。これまで、いいなって言ってた男たち、見事なまでに、みんなクズばっかりだったじゃん」

それを言われると、返す言葉に困る。

小鳥遊だけは…と思ったのに、結局は捨てられてしまった。

私は、恋愛不適合なのかもしれない。

恋愛どころか、人間と関わることで、傷つき、傷つけてしまうことに疲れ、もういっそ、俗世を離れたい気持ちすらある。