エリート航海士と結婚したら、溺愛されて愛の証を授かりました。


 ***


 遥生さんを見送って、もう一ヶ月。
 毎日一緒にいたからか寂しさが込み上げてくる時がある。だけど、あの日の夜の幸せな感情を思い出しながら指輪を眺めて幸せに浸って生活していた。

 だけど、最近とても体調が悪い……生理が近いからかなと思っていたが日に日に悪くなっている気がする。


「うぅっ……気持ちわる」


 体調悪くて、食欲も出ないから最近は食べる量が減っていた。
 白湯でも飲もうかな、と思って立ち上がるとスマホがピコンと鳴った。


【花埜さん!今日、お時間あればカフェでお茶しませんか?花埜さんのお家の近くにある喫茶店なんですけど……】


 美奈子さんからの連絡があったが、この状態じゃ、行けそうにないと思いトーク画面で体調不良でお断りの言葉を送った。するとすぐに既読になり電話が鳴る。


『もしもし、花埜さん。美奈子だけど、体調悪いってちゃんと食べてる?』

『いえ、食欲なくて……少ししか』

『そうなの? 差し支えなかったらでいいんだけど、症状は?』

『あ、はい……食欲不振と吐き気がして、生理前の症状があって、でも生理が来なくて……匂いとか、湯気もダメで』


 私は思い出しながら、一つ一つ言っていくと『わかった。今から買い物してそっちにいくから無理しちゃダメよ』と急いだ声で言って電話はブチっと切れてしまった。
 その後、三十分くらいでインターフォンが鳴り美奈子さんとミキちゃんがやってきた。

 美奈子さんはリビングに入って早々、紙袋を私に渡した。そこに入っていたのは【妊娠検査薬】と書かれた長細い箱だった。


「一番大事なこと聞くの忘れたんだけど、交久瀬さんとしたんだよね?」

「えっ、あ、はい……出港の前日に」

「そうか。じゃあ、もしかしたら反応出ると思う」


 私はそれを持ってトイレに向かう。トイレで箱を開封し、説明書通りの手順でやっていき……判定窓に現れたのは赤い線がくっきりと出ていてそれは【陽性】を表していた。



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