クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
「そうだったんですか。堀田の勘違いか。失礼があったらすみません」
「いえ。私も言えなくて……」


そんなことよりあの男の子の治療が先だった。


「脚、腫(は)れてますね。ちょっと触れますね」


天沢先生は堀田先生と同じように脚に触れて診察していく。


「痛……っ」

「男の子が終わったらレントゲンを撮ります。頭はぶつけていないですか?」

「はい。私は大丈夫です。あの子を助けて……」


心配でたまらず涙声になる。
すると天沢先生は私の顔をのぞき込んだ。


「もちろん助けます。そのために我々がいるんです。でもあなたも同じように大切だ。本当に頭をぶつけていないですか?痛いところは全部教えてください」

「……頭はぶつけていません。ただ、右腕と背中が痛いです」


『あなたも同じように大切』と言われてようやく少し冷静になれた私は、正直に話した。

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