クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
経過に異常がないと判断された私は、無事に退院の許可が下りた。

目に見える傷だけでなく、全身を激しくぶつけたせいであちこちが痛い。

それに、昨日より皮膚が青黒く変色してなんとも痛々しいが、とにかく新たな症状が発生しなくてホッとした。


看護師さんにお礼を言ってエレベーターホールに向かう途中で、「吉木さん」と私の名を呼ぶ堀田先生が駆け寄ってきた。


「……間に合った。昨日は申し訳ありませんでした」


私がお礼を言わなければならないのに、いきなり頭を下げられてなにがなんだかわからない。


「謝られることなんて、なにも」


肩で息をする彼に返すと、首を横に振っている。


「あの子のお母さんではないと聞きました。しっかり確認もせず、ひどいことを言いました。申し訳ありません」


それでわざわざ謝りに来たとは。

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