クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
堀田先生は宣言通りすぐに戻ってきた。荷物を持ち、松葉杖をうまく使えない私に肩を貸してくれる。


「松葉杖の使い方、ナースに教えてもらわなかった?」
「いえ、特に」
「そっか。整形じゃなくて外科入院だったからかな。持つほう逆だよ」
「え……?」


右脚を骨折したので、当然右に持つものだと思っていたのでひどく驚く。


「今度左にして歩いてごらん。びっくりするほど歩きやすいから」
「はい」


だから左側をサポートしてくれているのか。

エレベーターに乗り込むと、彼は再び話し始めた。


「一応男の姿は見えない。でも、またタクシーで追いかけてくるかもしれないからまくつもりだ」


まるで映画のような展開に息を呑(の)む。
でも、自分ではどうしようもないので、すべて任せようとうなずいた。

すると彼はなぜかふっと笑う。


「緊張しすぎ。大丈夫。俺がいるだろ?」


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