クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
彼に引きつっているだろう頬を軽くつねられて、緊張が和む。
しかしエレベーターが一階に到着したので、気を引き締めた。

さすがはドクターだ。
玄関の目の前に停められているのは、おそらくかなり高価な濃紺のBMWステーションワゴン。

堀田先生は私を助手席に座らせると、ラゲッジに荷物を入れてすぐに運転席に回る。
そしてあっという間にエンジンをかけて走りだした。

運転しながらちらちらとバックミラーを確認しているが、ついてきているのだろうか。


「車通りが多いし、暗いからよくわからないな。やっぱりまいておいたほうがよさそうだ」


そんな言葉に顔が引きつる。すると彼は続けた。


「別にカーチェイスするわけじゃないから、緊張しなくていい。吉木さんって緊張すると息を止める癖があるよね」


それで気づいたのか。
観察眼が鋭いのは救急医だから?


「そうかもしれません」
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