クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
「息はして。呼吸は大事だからね。それじゃあ、始めますか」


彼はそんなことを言いながら、車線変更を何度も繰り返し始める。
そして大きなホテルの地下駐車場に車を滑り込ませた。


「このホテル、学会のレセプションでよく使うんだ」


ここは『アルカンシエル』という一流ホテル。
利用した経験はないけれど、有名なので私も知っている。
でも、それがどうしたのだろう。


「……はい」
「あまり知られていないけど、ここの駐車場は裏口があって、VIPがお忍びで使っていたりする。そこから出よう」


ホテルに入ったと見せかけてすぐに出るのか。


彼は一旦地下二階まで車を進め、奥へと進む。

すると話していた通り、出口に向かう別の通路があり、さらに進むと料金支払いゲートがあった。
彼はそこでお金を支払い裏通りに合流する。


「さすがにこれで大丈夫だろ」


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