クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
きっと優しい人なのだ。話し方も刺々(とげとげ)しくなくて、助けてもらったときの印象とはまるで違う。

あのときは緊迫した場面だったので、当然といえば当然だけど。


「まあ、ゆっくり考えて。まだ体が万全じゃないのに疲れただろう? 今日はとにかく体を休めよう」


とてもありがたい申し出だった。
そろそろ鎮痛剤の効果が薄れつつあり、痛みも増してきている。

おまけに逃げられたと思っていたストーカーに捕まるという悪夢のような出来事があり、なにを考えたらいいのかわからないほど心も疲弊していた。


「それにしても、こんな薄暗くなってからどこに行ってたんだ?」
「あ……」


生理用品のことなんてすっかり頭から飛んでいた。

あの買い物袋は……藤野さんがそのまま持ち去ったような。
中を見られていると思うと気分が悪い。

余計なことまで考えて顔が険しくなる。


「どうした?」

< 47 / 53 >

この作品をシェア

pagetop