クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
ひとりでなんでもしなくてはとずっと気を張って生きてきたから、自分に言い聞かせるためにも『大丈夫』という言葉をよく口にしてしまう。

そういえば、天沢先生にも叱られたっけ。


「俺、そんなに頼りない?」
「そんなことは決して!」


あの的確な処置や指示を目の当たりにしたのに、頼りないなんて思うはずがない。

さっきだって、とっさに機転を利かせて守ってくれた。その上、自分の家にまで泊めてくれるというのに。


「それじゃあ、教えて」


これは言うしかないようだ。


「あの……。せ、生理用品が欲しくて」


顔が真っ赤になっている自信がある。
こんなことを男性に伝える日が来るとは思わなかった。


「あっ、そうか。言いにくかったね。ごめん」


彼は私を励ますかのように頭をポンポンと叩いて謝る。


「でも俺、一応医者なんだ」
「もちろん知ってます」


それがなんだろう。
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