クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
また『大丈夫です』と言いそうになり、代わりにお礼を口にした。

きっと歩けると主張しても彼はやめない。
それなら甘えてしまおう。

すると正解だったのか、彼はふっと笑みを漏らして私に優しい視線を送り、満足そうにうなずいた。


すさまじい速さで上がっていくエレベーターが到着したのは三十六階。
堀田先生はスタスタと足を進める。

そして、とある部屋の前で私を下ろして、鍵を開けた。


「ここ。どうぞ」


ドアを開けて私を支えるようにして玄関に足を踏み入れた彼は、すぐさましゃがみ込んでサンダルまで脱がせてくれようとする。


「そのくらいはできますから」

「いいから甘えておけ。賢治の命の恩人なんだから大切にしないと」


それから再び私を抱き上げて、右側のドアを器用に開けて入っていく。

その広い部屋は寝室で、キングサイズのベッドが置かれていた。


「飲みもの欲しいよね?」
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