彼女の夫 【番外編】あり
取材は、オフィスの応接室で行われることになっている。
広報担当が雑誌社と事前確認をしている間、河本と雑談していた。

「いつか聞いてみたいと思っていたんですが、社長はどんな女性がタイプなんですか?」

「え?」

「だって浮いた話も聞かないし、アプローチしてくる女性たちもクールに断ってますよね。だから、いったいどんな女性を求めてるのかなと」

「・・特に無いですよ。素の私を受け入れてくれる人なら・・」

事前確認が終わったのか、『お願いします!』と広報担当から声がかかる。
まだ聞きたそうな河本をよそに、編集者のもとに向かった。


「服部です。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、お忙しいところお時間調整いただきありがとうございます。今回は写真を2枚ほど・・対談中に1枚、対談後に1枚の予定です。それでは、今から20分ほどお話をお伺いしますので、どうぞお座りください」

編集者は坂本(さかもと)という男性で、40歳くらいに見える。
経営者への取材に慣れているようで、テンポ良く話が展開した。

「・・以上で終了となります。草稿は後日メールでお送りしますので、3日ほどで返送いただけると助かります」

「分かりました。広報に届き次第、確認してお返しします。では、この後会議が控えておりまして、ここで失礼します」

河本と広報に任せて、俺は高澤と会議室に向かった。


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