悪役令嬢に転生したのですが推しのイケオジ騎士様(モブキャラ)と恋に落ちるルートはどれですか!?

推しに押せども

 それから、あっという間に4日が過ぎた。

 私はどうにかレオンとマリーが二人きりになれるように画策した。けれども結局、それは叶わなかった。

 というのも、この1週間、リベルテ王国のガブリエル王子も王立学校の寮に滞在することになったからだ。ガブリエル王子が、生徒同様に講義を受けたいと申し出たのだ。

 それで、レオンはガブリエル王子につきっきりになる。マリーがレオンに近づける隙は、全くと言っていいほど無かった。

「ごめんね、マリー」

 マリーは教室は居心地が悪いらしく、救護室にいることが多かった。
 ガブリエル王子が来てから5日目の今日、放課後の夕日が差し込む救護室で、私は窓辺に腰掛けるマリーへ謝った。

「べつに、エレーナ様が謝ることではないですから」

 マリーはそう言って、こちらに笑みを向けた。
 綺麗な金髪、凛とした顔立ち。ツンとした目元の私よりは、何倍も"プリンセス"の顔立ちをしている。

「でも、約束したから。私はレオンに付き添って、ブラン様を拝むことはできるけれど……」

「エレーナ様も、同じです」

 マリーの言葉に、え? と眉をひそめた。

「遠くから望むだけ。そうやって望み、信じていれば、真実の愛は手に入る……はず、ですよね」

 マリーがあまりにも綺麗に笑う。夕日に照らされた笑みがまるで絵画のようで、私の心を抉った。
< 18 / 49 >

この作品をシェア

pagetop