だからこの恋心は消すことにした。
それから私の話を終始真剣に聞いていたアランが眉をひそめ、口を開いた。
「ラナ…。アナタそれ本気で言ってる?」と。
「…?本気ですが…」
何かおかしなことでも言ったのだろうか?と首を傾げ、先ほどアランに話した内容を確認してみるが、客観的に見た事実を述べているだけなので、何もおかしなことはない…はず。
おかしなものでも見るような目で私を見るアランの視線に私は自分の言葉に自信がなくなり始めた。
「優秀な秘書官様。可哀想に。最初がああだったから歪んだ認識をしてしまっているのね」
哀れね…と呟きながらため息をつくアランに私はますます状況がわからず、眉間にしわを寄せる。
そんな私を見てアランは「本当はあんなヤツ助けたくないんだけど…」と呟くと、嫌な顔をしながら私に話始めた。
「エイダンはラナを試している訳でも、苦しんでいるラナを見て楽しんでいる訳でもないわ」
「え?」
「あれはね、ラナ。恋をしているのよ、アナタに」
「…え?」
苦笑しているアランに素っ頓狂な声をあげる。
誰が誰に恋をしているのだろうか。
私がエイダンに?いや、それはそうだけど話の文脈的に違う。
じゃあ誰が誰に?
「アナタは私で、あれはエイダンで、それってつまり…っ!?」
そこまで口して私はやっとアランに言われたことを理解した。
エイダンが私を好きだと。