だからこの恋心は消すことにした。




*****



街で異常に多発する魔物関連の事件。
それらにはいくつか共通点があり、それに気がついた私は次の日にはそれを調べ上げ、ついには魔物多発の原因を突き止めた。

街で多発する魔物関連の事件は、ただの自然発生のものではなく、裏で誰かが糸引いて起きていた事件だったのだ。
そこまで辿り着くと後はとても早かった。

エイダンとカイは国を守り、支える、国に選ばれた最高階級の魔法使いであり、誰よりも強く、優秀だ。
そんな彼らに私の調べた情報全てを伝えると、彼らはあっという間にその誰か…黒幕を見つけ出し、捕えたのだ。

任務に当てがわれた日数は1週間。
黒幕を捕らえたのは任務5日目の昼だったので、任務終了まであと2日もある状態になった。
なので、私はその2日を頑張ってもらった2人の為に、休暇にすることにした。
私の独断だが、そのくらいは許されるはずだ。

2日あるうちの休暇1日目。
今日はカイと日中はショッピングを楽しんだ。
そして夜。
太陽が沈み、街にはお店や家、街灯の光など、人工的な光が溢れかえっている中、私はエイダンと2人で外食し、ホテルへの帰路へとついていた。



「エイダンとカイのおかげで事件の根本を解決することができました」



私の横を歩くエイダンにほろ酔い気分で、お礼を言う。
先ほどまでエイダンと共に食事をしていたお店でなかなかいいお酒を口にしていたので何だか気分がいい。
おまけに大好きなエイダンと一緒ということもあり、私は幸せで楽しくてもう最高の気分だった。



「珍しいね、秘書官様。そんなに酔って」



ふふ、と面白そうに目を細めて、エイダンが私を一瞥する。
余裕のある不敵なエイダンの笑みはこのキラキラと輝く街の光の中でも一際美しかった。




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