だからこの恋心は消すことにした。
「お酒が美味しすぎてつい飲みすぎてしまったのかもしれないです。それにエイダンとの食事でしたので…」
頬に力が入らず、ふにゃりとエイダンに笑う。
するとエイダンはとても愉快そうに笑い出した。
「あはははっ。そう、それはよかったねぇ」
満足げに笑い、エイダンが空を見上げる。
なので私もエイダンと同じように視線を上へと上げた。
私たちの上に広がる濃紺の空。
そこには満月が浮かび、無数の星たちがキラキラと輝きを放っている。
街の喧騒とは違い、静かな星空に私は息を呑んだ。
そこに流れ星まで流れたからだ。
「どう?」
エイダンが突然私の様子を窺う。
「俺も気分がいいから流れ星流しちゃった」
それから本当に楽しそうに微笑み、私をまっすぐと見つめた。
ああ、やっぱり好きだ。
エイダンの無邪気な笑顔を見て、私は改めてそう思った。
「綺麗です。やっぱりすごいですね、エイダンは」
何度も何度も空を駆ける流れ星に私は感動の声をあげる。
エイダンが魔法で作った流れ星でも私の願いを叶えてくれるだろうか。
願わくばどうかずっとエイダンの側にいたい。
そんな願いを。