だからこの恋心は消すことにした。
「…ですから、私を閉じ込める必要なんてないんですよ?私もエイダンのことが…す、好きなんですから。私はエイダンのもので、今までと同じ生活でも問題ない…」
「黙って」
「…っ!」
笑えない冗談をへらへらと喋り続けるラナに人差し指を軽く振って、もう喋れないように魔法をかける。
突然、強制的に口を閉められたラナは驚きの表情を浮かべていた。
そしてそんなラナを俺は冷たく見下ろした。
「お前が俺を好き?嘘だね。ここから逃げたいだけでしょ?優秀な秘書官様は感情を隠すのが上手だからね。また本当の気持ちを隠して、今度は俺を好きなフリをしているんでしょ?」
泣きそうになっているラナの顎を人差し指でグイッと無理やり上に向かせる。
今にも溢れ落ちそうな涙がうるうると瞳の淵に溜まり、キラキラと輝いている。
何か言いだけなラナだが、ラナは今何も言えない。
その言葉を俺が奪っているから。
「お前はもう逃げられない。ここで死ぬまでずっと俺といるんだよ?お前の世界はここだけだからね」
ついにラナの瞳から溢れ落ちた涙に俺はそっとキスをして、冷たく笑った。
ーーーお前の心以外、全てを俺のものにする。
もうそれでいい。