だからこの恋心は消すことにした。
「…エイダン」
父が離れた後、私はエイダンの名前を呼び、エイダンへと視線を向けた。
愛おしい私の恋人。今日から彼は私の夫となる。
ここに立つまで本当に早かった。
雪山の家から離宮に帰ってきた後、エイダンはすぐに私と結婚式を挙げると言ってくれたのだ。
恋人になれたことでさえ、夢のような話だったのにまさか結婚までできるとは。
もう終わらない関係にエイダンとなれるのだと思うと天にも昇るような気持ちになった。
そしてエイダンが結婚を口にしてたった1ヶ月。
私たちは今、こうしてみんなに見守られながら結婚式を挙げている。
「綺麗だね、ラナ」
ウエディングドレス姿の私を見て、エイダンが満足げに笑う。
「…エイダンもとても美しいです」
そんなエイダンがあまりにも眩しくて、そしてその甘い言葉が嬉しくて、私は頬を紅潮させながらエイダンに微笑んだ。
ああ、私は今、とても幸せだ。
きっと今日という日を私は一生忘れられないだろう。
「俺はお前を一生離すつもりはないから。どんなに嫌がってもお前は一生俺のものだよ。わかった?」
「はい。離さないでください。私も絶対にアナタを離しませんから」
いつものようにどこか意地悪く笑うエイダンに私は笑顔で応える。
私たち2人の瞳は互いを想う愛でいっぱいになっていた。